飲まずにいられない

流れ流れてたどり着いた東京の片隅で現在や過去や未来ん中から幸福のカケラを拾い集めては言葉にのこしていく単純な作業の場所

ふたつの子供と、こめるおもい

ひとたび作品ができれば、作り手が「こう感じてほしい」とか「こういうコンセプトで」なんて言い訳をするのは非常に格好が悪いと感じる。いや、感じていた。しかしながら、産みの苦しみを経てやっと授かった玉の説明は、せずにはいられない。ほんの少しだけ、語ってしまうのを許していただけるだろうか。

タイトル中に飲み物が入っているのには特に意味はなく、M-1、M-2という通し番号のようなものだった。しかし、まずオケトラックとメロディが出来上がり、そのあとに歌詞を後付けする時に、やはりどうしてもそのイメージを芯に膨らませていったという事情があるのだ。

「愛のコーラ」は、制作が佳境に入った頃、飯島愛が自宅で孤独死したことにだいぶショックを受け、彼女と、環境を変えようとして足元をすくわれそうな不安に苛まれている自分を重ね合わせて書き上げた。

「リンゴジュース」は、じつは「愛のコーラ」より先に書いてあった。だがメロディの難易度があまりにも高く、歌いきれないこと、また舌足らずな箇所があることが気になり、大幅に書きかえた。これはホモがヘテロに負ける失恋ソングで、主人公のイメージはジルベール、そして相手の男子はルキシュなのだ。
よくわかんないという方は、名作マンガ「風と木の詩」、また「イズァローン伝説」をご参照ください。

風と木の詩 (1) (中公文庫―コミック版)

風と木の詩 (1) (中公文庫―コミック版)