飲まずにいられない

流れ流れてたどり着いた東京の片隅で現在や過去や未来ん中から幸福のカケラを拾い集めては言葉にのこしていく単純な作業の場所

貝の印はガードつき

たぶん春だったと思う。あの痛みとはどんなもんなんだろうと思い、物理を手首にあててみた。ガードつきのモンなんて所詮深くは入らない。白く表面を引っ掻くだけだ。持つ指先にだんだん力がこもる。失愛のマークをつけようとムキになる。だらしない皮膚はやがて負け、薄い朱の線が何本も盛り上がった。だけど迸るほどの結果は得られなかった。痛感はひりひりする程度。でも傷はよくみると今でもわずかに残っている。滑稽な跡だ。


君はセイフティのない物理を何度もあてていたんだね。
心の光と闇はいまどんな感じかい?